ALUBIS LANGUAGES GEOGRAPHY POLICY

アルファ祖語(仮)

 仮想世界アルビスでいう印欧祖語にあたる言語です。
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娘言語

造語法

語根の作成

 基本的に5つの音象徴からランダムに選んで造語する。 5つの音象徴は以下。
種類 音素
soft m n w y p f ɾ ʒ
hard s ʃ f d x gʱ z v
light p k t ʃ x r dʱ t
heavy b d g z ɣ r bʱ dʱ
neutral l ɾ s x h k b t
 *部分はもともと別の音素だったが、修正したものである。

発音

母音

前(非円唇) 前(円唇) 後(円唇のみ)
i y u
半広 ɛ ø ɔ
a œ ɒ

子音

両唇音 唇歯 歯茎 後部歯茎 硬口蓋 軟口蓋 声門
破裂 p b bʱ t d dʱ k g gʱ
m n
はじき ɾ
摩擦 f v s z ʃ ʒ x ɣ h
接近 j
側面 l

同時調音 w

二重母音はない。

長子音

 もともと長子音は無い仕様にしようとしたが、娘言語に多様性を持たせるため、 長子音を容認することにした。 ただし、原型の語に長子音が現れることはなく、活用・曲用した変化形に現れる。
 なお、表記法は同じ子音を単に2つ並べるだけ。

子音クラスタ

 音節頭の子音クラスタはCjのみ許容される。 そのため、VCjVのような語はVとCjVという音節に分けられる。 音節末のは、原型の語で、Cm・Cʃ・Cx・Cz、 屈折形ではそれらにs・t・dʱをつけたものがある。 また、屈折語尾にはts・ps・tt・pt・tdʱ・pdʱ・ssが現れる。

アクセント

 高低アクセント。 語根ベースのアクセントで、中心的な意味の方にアクセントがつく。 接頭辞や接尾辞でなく語根にアクセントがつく。

文法

形態論的分類

 SOMV・AN・後置詞の屈折語。 主題優勢言語で、統語的に主語は必要ない。 主題と主格を区別するために、以下主題のことを題目と言う。

名詞

 名詞には格が7つある。 単独格、主格、対格、与格、奪格、具格、処格である。 無標は単独格である。
 具格は道具と人両方に使え、英:withとほぼ同じ用法だ。
 処格は場所、時間両方に使え、位置を表す名詞ともに用いられることが多い。
 曲用の不規則さは名詞によって違うが、人称代名詞は最も不規則で、 その他は規則的なものが多い。 普通名詞の規則変化は単独格を無標として主格は母音交替、対格も母音交替、 与格は対格+s、奪格は単独格+t、具格は対格+dʱ、処格は対格+iʃとなる。

 名詞は単数・双数・複数の区別が必須である。ただし、定不定の区別はない。 基本的に接尾辞のotで双数、epで複数を表すが、 二音節以上の単語では、二音節目が母音交替することもある。

屈折表

一般名詞
単数 双数 複数
-I- -I-ɔt -I-ɛp
-II- -II-ɔt -II-ɛp
-III- -III-ɔt -III-ɛp
-III-s -III-ɔts -III-ɛps
-I-t -I-ɔtt -I-ɛpt
-III-dʱ -III-ɔtdʱ -III-ɛpdʱ
-III-iʃ -III-ɔtiʃ -III-ɛpiʃ

人称代名詞

 代名詞は人称ごとに単数・双数・複数が全て違う形である。 しかし、動詞に人称変化があるため、代名詞で主語・題目を明示することは少ない。
一人称 二人称 三人称(有生)
単数 双数 複数 単数 双数 複数 単数 双数 複数
単独 al mas maɾ haf fin fik lud til tid
主格 alɛ mɛs mɛɾ hɛf fun fuk lyd tul tud
対格 ali mis miɾ hif fyn fyk lid tyl tyd
与格 alis miss miɾs hifs fyns fyks lids tyls tyds
奪格 alt maɾt haft fikt ludt tilt tidt
具格 alidʱ miɾdʱ hifdʱ fykdʱ liddʱ tyldʱ tyddʱ
処格 aliʃ miɾiʃ hifiʃ fykiʃ lidiʃ tydiʃ

指示代名詞

 便宜的に、形態的類似が見られる形式事象名詞と疑問詞も含めている。
近称(これ) 中称(それ) 遠称(あれ) 事象(こと) 疑問(なに)
単数 双数 複数 単数 双数 複数 単数 双数 複数 単数 双数 複数 無生 有生 様子
単独 bji bjɔt bjɛp wji wjɔt wjɛp gji gjɔt gjɛp axji axjɔt axjɛp ɛlji tulji ɛljɒb
主格 bju bjut bjup wju wjut wjup gju gjut gjup ɛxji ɛxjɔt ɛxjɛp ilji tylji iljɒb
対格 bjy bjyt bjyp wjy wjyt wjyp gjy gjyt gjyp ixji ixjɔt ixjɛp ulji tilji uljɒb
与格 bjys bjysɔt bjysɛp wjys wjysɔt wjysɛp gjys gjysɔt gjysɛp ixjis ixjsɔt ixjsɛp uljis tiljis uljɒbs
奪格 bjit bjɔtt bjɛpt wjit wjɔtt wjɛpt gjit gjɔtt gjɛpt axjit axjɔtt axjɛpt ɛljit tuljit ɛlyɒbt
具格 bjydʱ bjytdʱ bjypdʱ wjydʱ wjytdʱ wjypdʱ gjydʱ gjytdʱ gjypdʱ ixjidʱ ixjɔtdʱ ixjɛpdʱ uljidʱ tiljidʱ uljɒbdʱ
処格 bjiʃ bjytiʃ bjypiʃ wjiʃ wjytiʃ wjypiʃ gjiʃ gjytiʃ gjypiʃ ixjiʃ ixjɔtiʃ ixjɛpiʃ uljiʃ - uljɒbiʃ
 形容は英:howにあたり、副詞的用法の場合は単独形、 形容詞的用法の場合は修飾する名詞の格に合わせる。

動詞

人称変化

 印欧語のように人称変化がある。 基本の接尾辞は、一人称単数がs(neutral)、二人称単数がɛf(soft)、三人称単数がɛx(hard)、 一人称複数がit(neutral)、二人称複数がiɾ(soft)、三人称単数がaʃ(hard)。 当初は双数形の屈折を作らない予定だったが、後から変更となった。 双数形は一人称がɒk(neutral)、二人称がim(soft)、三人称がigʱ(hard)。

時相制

 最初期は純粋な相のみを想定していたが、 やはり言語普遍性的に不自然である(しかも屈折語で)と考え、 諸言語に見られるように時制と相制が合わさった時相制ということにした。
 伝え方がよくわからなかったので、 独自に整理してみた。 以下、これをもとに説明する。

 定頻形は時制が任意で、時間の幅の開始点は過去に中程度、 終了点は未来に中程度、動作の頻度は定期的・習慣的のいずれかとなる場合と、 時制が小程度に未来で点事象の場合がある。 日本語の現在形と似ているが、どの時制の時制の習慣でも表せるため、 過去において習慣だったことについても表せる。
 進行形は時制が任意で、時間の幅の開始点・終了点は任意、 動作の段階が進行となる。 定頻形と同じく、時制が任意なのことに注意。
 完了形は時制が現在または任意の程度に過去で、 時間の幅の開始点が中程度に過去、終了点は小程度に未来(基準よりは過去)で、 動作の段階は完了になる。
 完結形は時制が任意の程度に過去で、点事象である。 いわゆるアオリスト
 未来形は時制が中程度以上の未来で、点事象または1回の動作の任意の段階。

 活用は定頻を基礎として進行、完了の順に母音交替し、完結は完了+t・未来は定頻+sとなる。 ただし、完結形の一人称単数・二人称単数のみは人称語尾が消えてetのみがつく。
 人称と時相制を合わせるとこのような活用表が作れる。
 また、二重母音の発生を防ぐため、原型は語幹末が子音の場合は-ɛlだが、 語幹末が母音の場合は-lとなる。 定頻形の活用語尾は末尾の母音を削除して-ɛf、-ɛxのようになる。

単数 双数 複数
1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称
定頻 -I-s -I-ɛf -I-ɛx -I-ɒk -I-im -I-igʱ -I-it -I-iɾ -I-aʃ
進行 -II-s -II-ɛf -II-ɛx -II-ɒk -II-im -II-igʱ -II-it -II-iɾ -II-aʃ
完了 -III-s -III-ɛf -III-ɛx -III-ɒk -III-im -III-igʱ -III-it -III-iɾ -III-aʃ
完結 -III-ɛt -III-ɛt -III-tɛx -III-tɒk -III-tim -III-tigʱ -III-tit -III-tiɾ -III-taʃ
未来 -I-ss -I-sɛf -I-sɛx -I-sɒk -I-sim -I-sigʱ -I-sit -I-siɾ -I-saʃ

不規則変化は作らない方針にした。 (娘言語でいくらでも派生させれば良い。)

 態には能動態(上記)、中動態、受動態の3つがある。 (中動態は作者もいまいち理解していないが、 受動態における行為者と被行為者が同じ場合、程度の理解で良い。)
 動詞の中動態は接尾辞-akで作る。

単数 双数 複数
1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称
定頻 -I-aks -I-akɛf -I-akɛx -I-akɒk -I-akim -I-akigʱ -I-akit -I-akiɾ -I-akaʃ
進行 -II-aks -II-akef -II-akɛx -II-akɒk -II-akim -II-akigʱ -II-akit -II-akiɾ -II-akaʃ
完了 -III-aks -III-akɛf -III-akɛx -III-akɒk -III-akim -III-akigʱ -III-akit -III-akiɾ -III-akaʃ
完結 -III-akɛt -III-akɛt -III-aktɛx -III-aktɒk -III-aktim -III-aktigʱ -III-aktit -III-aktiɾ -III-aktaʃ
未来 -I-akss -I-aksɛf -I-aksɛx -I-aksɒk -I-aksim -I-aksigʱ -I-aksit -I-aksiɾ -I-aksaʃ

 動詞の受動態は接尾辞-ubで作る。

単数 双数 複数
1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称
定頻 -I-ubs -I-ubɛf -I-ubɛx -I-ubɒk -I-ubim -I-ubigʱ -I-ubit -I-ubiɾ -I-ubaʃ
進行 -II-ubs -II-ubɛf -II-ubɛx -II-ubɒk -II-ubim -II-ubigʱ -II-ubit -II-ubiɾ -II-ubaʃ
完了 -III-ubs -III-ubɛf -III-ubɛx -III-ubɒk -III-ubim -III-ubigʱ -III-ubit -III-ubiɾ -III-ubaʃ
完結 -III-ubɛt -III-ubɛt -III-ubtɛx -III-ubtɒk -III-ubtim -III-ubtigʱ -III-ubtit -III-ubtiɾ -III-ubtaʃ
未来 -I-ubss -I-ubsɛf -I-ubsɛx -I-ubsɒk -I-ubsim -I-ubsigʱ -I-ubsit -I-ubsiɾ -I-ubsaʃ

 法は「命令法」「希求法」「接続法」の3つがある。
 命令法は、命令を表す法で、語幹にozをつける。
 希求法は、命令法より弱い言い方。 また、動作主や原因を明示せず漠然とあるべき状態や願望を示す。 (いわゆる印欧語の希求法とは少し異なる。) 語幹にefをつける。
 希求法と異なり非現実感が強く、主に従属節で用いられる。 完結形の語幹にefをつける。

単数 双数 複数
1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称 1人称 2人称 3人称
命令法 -I-ɔzs -I-ɔzɛf -I-ɔzɛx -I-ɔzɒk -I-ɔzim -I-ɔzigʱ -I-ɔzit -I-ɔziɾ -I-ɔzaʃ
希求法 -I-ɛfs -I-ɛfɛf -I-ɛfɛx -I-ɛfɒk -I-ɛfim -I-ɛfigʱ -I-ɛfit -I-ɛfiɾ -I-ɛfaʃ
接続法 -III-tɛfs -III-tɛfɛf -III-tɛfɛx -III-tɛfɒk -III-tɛfim -III-tɛfigʱ -III-tɛfit -III-tɛfiɾ -III-tɛfaʃ

動詞派生語

 動詞からは派生語を作ることができる。 動詞にegʱ/ogʱの接尾辞がつくことで動作主を名詞化した主格動詞派生語を作ることができ、 動詞にal/ɒlの接尾辞をつければ、対象を名詞化した対格動詞派生語を作ることができる。 また、接尾辞ɛbhで事象を名詞化した事象動詞派生語を作ることができる。 例えば、流れるという動詞sɛɾxを主格動詞派生語にした、 名詞sɛɾxɛgʱが「水」を意味する。 この例でわかるように、あくまでも派生であり「流れる者」のような意味にならないことに注意。 また、sɛɾxɛbhで「流れ」である。 対格動詞派生語の例としては、食べるmuxを対格派生させ、食べ物muxɒlなどが挙げられる。

不定形(不定法)

 動詞の語幹に接尾辞ɛrをつけると不定形になり、形容詞のように使うことができる。

形容詞

叙述系と限定形

 形容詞には叙述形と限定形がある。 叙述形はコピュラ動詞や補語をとる動詞と一緒に用い、 限定形は名詞を修飾するときに用いる。 辞書の見出しは叙述形で、接尾辞iɾで限定形に活用するが、 二音節以上の形容詞は最後の音節の母音が交代する。

 形容詞は修飾する名詞の数によって活用する。 単数形が無標で、双数は接尾辞ɔt、複数は接尾辞ɛpがつく。 また、最初の音節の母音が交代する場合もある。 (これは使い分けがない為、各娘言語で派生させたいようにさせれば良い。)

比較級と最上級

 叙述形での比較級は接尾辞ɛk、最上級は接尾辞aɾhによって表される。 限定形での比較級は接尾辞ik、最上級は接尾辞ɛɾhによって表される。

屈折形

ここまでまとめてきた屈折形の表。

原級
叙述形 限定形
単数 双数 複数 単数 双数 複数
単独 -I- -I-ɔt -I-ɛp -I-iɾ -I-ɔtiɾ -I-ɛpiɾ
主格 -II- -II-ɔt -II-ɛp -II-iɾ -II-ɔtiɾ -II-ɛpiɾ
対格 -III- -III-ɔt -III-ɛp -III-iɾ -III-ɔtiɾ -III-ɛpiɾ
与格 -III-s -III-ɔts -III-ɛps -III-siɾ -III-ɔtsiɾ -III-ɛpsiɾ
奪格 -I-t -I-ɔtt -I-ɛpt -I-tiɾ -I-ɔttiɾ -I-ɛptiɾ
具格 -III-d -III-ɔtd -III-ɛpd -III-diɾ -III-ɔtdiɾ -III-ɛpdiɾ
処格 -III-iʃ -III-ɔtiʃ -III-ɛpiʃ -III-iʃiɾ -III-ɔtiʃiɾ -III-ɛpiʃiɾ
比較級
叙述形 限定形
単数 双数 複数 単数 双数 複数
単独 -I-ɛk -I-ɔtɛk -I-ɛpɛk -I-ik -I-ɔtik -I-ɛpik
主格 -II-ɛk -II-ɔtɛk -II-ɛpɛk -II-ik -II-ɔtik -II-ɛpik
対格 -III-ɛk -III-ɔtɛk -III-ɛpɛk -III-ik -III-ɔtik -III-ɛpik
与格 -III-sɛk -III-ɔtsɛk -III-ɛpsɛk -III-sik -III-ɔtsik -III-ɛpsik
奪格 -I-tɛk -I-ɔttɛk -I-ɛptɛk -I-tik -I-ɔttik -I-ɛptik
具格 -III-dɛk -III-ɔtdɛk -III-ɛpdɛk -III-dik -III-ɔtdik -III-ɛpdik
処格 -III-iʃɛk -III-ɔtiʃɛk -III-ɛpiʃɛk -III-iʃik -III-ɔtiʃik -III-ɛpiʃik
最上級
叙述形 限定形
単数 双数 複数 単数 双数 複数
単独 -I-aɾh -I-ɔtaɾh -I-ɛpaɾh -I-ɛɾh -I-ɔtɛɾh -I-ɛpɛɾh
主格 -II-aɾh -II-ɔtaɾh -II-ɛpaɾh -II-ɛɾh -II-ɔtɛɾh -II-ɛpɛɾh
対格 -III-aɾh -III-ɔtaɾh -III-ɛpaɾh -III-ɛɾh -III-ɔtɛɾh -III-ɛpɛɾh
与格 -III-saɾh -III-ɔtsaɾh -III-ɛpsaɾh -III-sɛɾh -III-ɔtsɛɾh -III-ɛpsɛɾh
奪格 -I-taɾh -I-ɔttaɾh -I-ɛptaɾh -I-tɛɾh -I-ɔttɛɾh -I-ɛptɛɾh
具格 -III-daɾh -III-ɔtdaɾh -III-ɛpdaɾh -III-dɛɾh -III-ɔtdɛɾh -III-ɛpdɛɾh
処格 -III-iʃaɾh -III-ɔtiʃaɾh -III-ɛpiʃaɾh -III-iʃɛɾh -III-ɔtiʃɛɾh -III-ɛpiʃɛɾh